ご挨拶
祝辞
活動の経緯
施設紹介
〒648-0211 和歌山県伊都郡
高野町高野山奥之院
45番地の12


特定非営利活動法人
高野山福祉会
 
 道雄さんは10年間、「光生会の障害を持った利用者の方々と共にボランティア活動の山内の公衆トイレ及び、伽藍、奥之院の参拝道の清掃奉仕」等を実践され、その一つ一つの汗の積み上げが、総本山金剛峯寺をはじめ、高野山大学、そして高野山の幾多の方々に多くの感動を与えてきました。
 その姿に、高祖大師様が弱い立場の方々の済世利民の道を与えて下さったのです。
 この度、道雄さんは積み上げてきた汗の上に、私財を投じ積年の夢であった「高野山福祉会壽光園(じゅこうえん)」を結実させました。この「高野山福祉会 壽光園」は、高祖大師様がおわします高野の山で、永遠に障害を持たれる方々にとっての大師信仰の場となり、生きつづけることになります。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 宗務総長 土生川正道


 身体障害者交流施設「壽光園」のご開設、誠におめでとうございます。
日頃、光生会の皆様には町内諸施設の掃除などで大変お世話になっており、この場をお借りし篤く御礼を申し上げます。
 様々な活動を拝見させて頂くにつけ、川口相談役の熱意には常々敬服致しておりましたが、この度は大師のご請願を体して障害を持つ方々の癒しと信仰の場として「壽光園」をお創りになりました。行政が取り組まなければならない同題にいち早く着目し、行動に移される氏の先見性と敬慮な信仰心にあらためて敬意を表します。
 本町は昨年から「宗教環境都市」を標榜致しております。「宗教環境都市」の「環境」とは単なる自然環境との関係だけでなく「人と人」「人と文化」「自然と文化」との関係をも包括した理念です。正に当施設はこの理念とも合致するものだと存じます。
 今後、「壽光園」が有効に活用され、高野山福祉会が益々発展されますことを心からご祈念申し上げます。
高野町長 後藤太栄
 
 
 高野山は、弘法大師空海ご自身が「法身の里」(ほとけのいのちが息づいている、いのちのふるさと)として開かれた霊場です。それ以来千二百年近くの間、多くの方々がそこに参詣しておられます。高野山は、弘法大師が嵯峨天皇より「修禅の道場」(自らのほんとうのいのちのあり方を自覚する修行の場)として賜り、その伝統を今に伝え、日本のみならず世界の遺産として認められています。
 必ずしも壮健の方のみがそのふるさとを訪れるわけではありません。参詣者の方々には、身体的に困難であっても、同じようにそのふるさとを思うかたも多くおられます。老齢にいたってやっとその余裕が持てる方もおられます。公衆トイレの清掃をはじめ、あらゆる人に、ほとけのふるさとでの有意義な時を過ごしていただくために、献身的なご奉仕を、光生会の方々は続けてこられました。その展開の上に、特に身障者の方々に十全な配慮をなした宿泊研修の場として、このたび壽光園という施設が設立されると聞きます。
 弘法大師空海の教えに縁が結ばれる方が、このような施設を通じて、一人でも多く増えていきますことは、本当に慶ばしいことと思います。関係者のご協力に敬意を表すと共に、ますますの繁栄を願ってやみません。
高野山大学 学長 生井智紹


 大阪府下に各種の社会福祉施設を開設し、弱い立場の方々に支援の手を広げてこられた社会福祉法人 光生会の川口道雄さんが、このたび、霊場高野山上に障害者交流施設「高野山福祉会 壽光園」を開設されたことに深甚なる敬意と心からのお祝いを申し上げます。
 高野山での福祉施設については、数年前から大学院の授業の合間などに、川口さんがぜひ何とかしたいと熱っぽく話しておられた様子を思い起こします。
 全国から多くの人々がお参りになる山上伽藍、参詣道や公衆トイレ等の掃除など、長年にわたり毎週のごとく、光生会の方々と共に率先して奉仕してこられた行動力、また、弘法大師の教えのもとに福祉を学ぼうとする若者への奨学金設立に見る実行力、自らも一人の僧として本格的に真言密教を学び、万物平等に有する価値ある命の教えを、どのように現場に生かしていくかを模索した修士論文、いずれを取り上げても福祉に対する並々ならぬ強い情熱が感じられます。
 世界遺産に登録されて、日本はもとより世界各地から聖地高野山を訪れる人たちも益々増えてくることでしょう。世界遺産といっても高野山は単なる過去の遺産ではなく、歴史と伝統を受け継いだ今も生き続ける修行と進行の聖地であり、現代人の生活の場でもあります。その地に、我々が最も力を入れるべき福祉施設が開設されたことに大きな喜びを禁じえません。この障害者交流施設「壽光園」が日本はもとより世界各地の障害を持った方たちにとって、団欒の場、憩いの場、安らぎの場となることを祈念してやみません。
高野山大学 前学長 東智學

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